慢性疼痛の予測因子・危険因子は?
エビデンス
その1
小児期に体験した不幸な出来事(交通事故による入院・親の死亡・両親の離婚・親のアルコール依存・貧困家庭)が壮年期における広範囲な慢性疼痛の予測因子であることが判明。トラウマとなるような体験は慢性疼痛の発症と重症度に関連。http://1.usa.gov/nePOkk
震災後の影響でもっとも心配なのがこれです。被災した子どもたちが万が一慢性疼痛を発症しても、速やかに解決できるような体制を今から整えておかなければなりません。どうか根拠に基づく情報の拡散にお力をお貸しください。
その2
小児期に虐待(身体的・精神的・性的)やネグレクト(育児放棄)を経験した者は、それらを経験していない者より成人してから慢性疼痛を訴える傾向があることがメタ分析によって明らかとなる。虐待は慢性疼痛のリスクファクターである。http://1.usa.gov/nqfkEH
慢性疼痛は心理社会的疼痛症候群である証拠。患部だけの治療では解決しないはずです。ターゲットをはずしているわけですから。
その3
過去の不幸な出来事は明らかに慢性腰痛の危険因子ではあるが、両者間にU字曲線が見られたことから軽度の逆境体験は保護的に働く可能性が浮上。軽度の逆境体験者は慢性腰痛による疼痛障害が小さく医療の利用率も低いことが判明。http://1.usa.gov/ol0hCX
軽いストレスは慢性疼痛を予防するらしいということです。人間はストレスがなければ生きられない動物なのかもしれません。
その4
過去の不幸な出来事は明らかに慢性腰痛の危険因子ではあるが、両者間にU字曲線が見られたことから軽度の逆境体験は保護的に働く可能性が浮上。軽度の逆境体験者は慢性腰痛による疼痛障害が小さく医療の利用率も低いことが判明。http://1.usa.gov/ol0hCX
軽いストレスは慢性疼痛を予防するらしいということです。人間はストレスがなければ生きられない動物なのかもしれません。
新しい腰痛概念とは
このような実証研究によって得られた事実を元にして、再構成されました。これまでは「生物学的損傷」という画像の異常所見や肉体への負担が原因というものでした。それを「生物・心理・社会的疼痛症候群」という心理的要因や社会的要因も原因であるというものです。
治療
原因が一つではなく、いくつかの要因が重なって、絡み合っています。ですから、身体だけでなく、心理的アプローチも含めて多面的に集学的に行うことがとても重要です。単一の治療で改善するのは困難です。