腰痛疾患にオピオイドを使用すると
エビデンス
その1
腰痛疾患に対するオピオイド(麻薬系鎮痛剤)投与は増加傾向にあるが、オピオイドに関連する死亡者数は5年間で160%増加し、ヘロインとコカインによる総死亡者数を上回っている。http://1.usa.gov/tWT5d4 http://1.usa.gov/ahierm
日本のオピオイド使用量はアメリカほどではないにしろ、慢性腰痛がどれだけ深刻な問題かを伺わせるデータです。断じて腰痛疾患を慢性化させてはなりません。
考え方
米国では、オピオイドと呼ばれる麻薬性鎮痛薬の中毒患者数や、過剰摂取による死亡者数が年々増え続けて問題となっています。
そのため、トランプ大統領が「非常事態」を宣言するに至りました。
米国内科学会の新たな腰痛診療ガイドラインでは、薬物療法は第二選択肢となり、まず薬剤を用いない治療法を試すことが推奨されるようになりました。ロキソニン(NSIDS)であっても、使い方を間違えないようにしましょう。
どの治療法(薬、注射、施術、体操)に効果があるかどうかも大切ですが、それよりも治療戦略のほうが重要です。戦略が間違えているのに戦術(治療方法)で覆そうとしても無理が生じます。