無症状の椎間板ヘルニアと有痛性の椎間板ヘルニアの違いは?
エビデンス
椎間板ヘルニアと診断された腰下肢痛患者46名と健常者46名をMRIで比較した結果、症状の有無は職業上の問題(心理的ストレス・集中力・満足度・失業)と心理社会的問題(不安・抑うつ・欲求不満・夫婦関係)の影響が大きい。http://1.usa.gov/q8PXfR
健康な人でも76%に椎間板ヘルニアが見つかります。症状が出る人と出ない人との違いはイエローフラッグ(心理社会的因子)の有無にあるということが国際腰椎学会でボルボ賞を受賞した研究で明らかにされました。
新しい腰痛概念
このような実証研究によって得られた事実を元にして、新しい腰痛の概念は再構成されました。これまでは「生物学的損傷」という画像の異常所見や肉体への負担が原因というものでした。それを「生物・心理・社会的疼痛症候群」という心理的要因や社会的要因も原因であるというものです。
これまでの「生物学的損傷」だけが原因であるという古い考え方や治療法が却って治りを遅らせていることも判明しました。古い考えを改め、新しい考えを知るだけで治療効果があります。