危険信号の探究を越えて疼痛の身体的原因を追求するのは逆効果
エビデンス
その1
ほとんどの腰痛研究者は、これまで腰痛に対して過剰診療が行なわれてきたこと、そして今それをやめる時期に来ていることに同意している。危険信号(レッドフラッグ)の探究を越えて疼痛の身体的原因を追求するのは逆効果の可能性がある。http://bit.ly/VU8aVW
だからといって臨床医は疼痛の発生源の探究を完全に諦めるべきではありません。なぜなら、中には脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアに伴う下肢症状が生物学的治療法(手術)によって回復する患者もいるからです。
考え方
ほとんどの場合、骨の変形や椎間板の変性に対するアプローチ(手術)をしても自然治癒力を上回ることはありません。
今のところ、骨の変形や椎間板の変性と症状との関連性は証明されていません。
ということは原因でもないものにアプローチしている訳ですから、この手術成績は当然の結果と言えるでしょう。
骨の変形や椎間板の変性が症状の原因と思い込むことが、却って慢性化につながっています。
ですから、世界のガイドラインでは画像診断(レントゲンやCT、MRI)をするなと勧告しています。
新しい腰痛・坐骨神経痛の概念に基ずく治療が有効です。
腰痛・坐骨神経痛がどういうものか?
どういう症状がでるのか?原因は何なのか?有効な治療は?やってはいけないことは?どのくらいの期間で治るのか? 等々
ご存知でしょうか?
聞きかじった知識や自分自身の体験などの限られた情報を基に考えて、対処していませんか?
腰痛・坐骨神経痛が治らずに長引いている原因を自ら作ってしまっている可能性があります。
より真実に近い科学的事実に基づき考えることが重要です。
その上で、何をするのか自由に選択されると良いと思います。
このような実証研究によって得られた事実を元にして、再構成された新しい腰痛・坐骨神経痛の概念に基づく治療が有効です。