「腰痛に屈するな」というメディアキャンペーン実施した結果
エビデンス
オーストラリアのビクトリア州で「腰痛に屈するな」という大規模なメディアキャンペーンを実施し、近隣のニューサウスウェールズ州と比較した結果、次の4点が明らかとなった。http://1.usa.gov/mQ628O http://1.usa.gov/qTkwry
テレビ、ラジオ、新聞、ポスター、看板、小冊子などを駆使して新たな腰痛概念を広く普及させた有名なメディアキャンペーンです。
(1)キャンペーン群では腰痛患者の動作恐怖スコアが改善した。
(2)キャンペーン群では腰痛による欠勤日数が減少した。
(3)キャンペーン群の労災申請件数は15%減少した。http://1.usa.gov/mQ628O http://1.usa.gov/qTkwry
腰痛に対する考え方を改めるだけで回復速度が上がり、腰痛の発症率が低下したということです。
(4)キャンペーン群の医療費は20%減少した。すなわち、正しい情報提供だけで33億円を超える経費(労災補償費と医療費)を削減できたのである。日本でできないはずがない。http://1.usa.gov/mQ628O http://1.usa.gov/qTkwry
指一本触れることなく腰痛患者を減らすと同時に医療費を削減させることは可能なのです。これも国際腰椎学会でボルボ賞を受賞した論文です。専門家が知らないはずはありませんし、万が一知らないというのなら腰痛患者に手を出すべきではありません。
新たな腰痛概念とは
実証研究によって得られた事実を元にして、再構成されました。これまでは「生物学的損傷」という画像の異常所見や肉体への負担が原因というものでした。それを「生物・心理・社会的疼痛症候群」という心理的要因や社会的要因も原因であるというものです。
これまでの「生物学的損傷」だけが原因であるという古い考え方や治療法が却って治りを遅らせていることも判明しました。古い考えを改め、新しい考えを知るだけで治療効果があります。